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就職活動の専門家の意見

解雇法制の見直し日本では、「終身雇用」という言葉が示すように、解雇は非常に困難だと思われてきた。
ところが、制定法からみれば、きわめて容易である。
一カ月前に告知するか一カ月分の賃金を支払えば、使用者は従業員を解雇できる。
(労働基準法第二〇粂解雇の予告)使用者は、労働者を解雇しょうとする場合においては、少くとも三〇日前にその予告をしなければならない。
三〇日前に予告をしない使用者は、三〇日分以上の平均賃金を支払わなければならない。
但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。
二前項の予告の日数は、一目について平均賃金を支払った場合においては、その日数を短縮することができる。
三前条第二項の規定は、第一項但書の場合にこれを準用する。
この規定を守らずに使用者が従業員を解雇することも中小企業ではときどきあり、労働紛争になることがある。
他方、判例による、有名な「解雇権濫用の法理」が存在している。
この法理は日本の労使関係の実情にもとづいて、一九七〇年代後半に定式化されたものである。
これは、客観的に合理的理由がない解雇や、客観的理由があっても社会通念上相当として是認しえない解雇を、使用者の解雇権の濫用として無効とする。
具体的には、企業が整理解雇をするためには四要件が必要だとされている。
人員削減の必要性。
経常赤字などが具体的な指標となる。
手段としての整理解雇の必要性。
つまり、配転・出向・一時帰休・希望退職募集などを用いて解雇回避の努力をしたこと。
被解雇者選定の妥当性。
解雇実施手続の妥当性。
労働組合や労働者個人に対して、しっかりとした説明をおこなうということである。
こうした四要件のために、とくに中規模以上の企業では整理解雇は非常にむつかしいとされてきた。
逆にいえば、労働者の雇用権は一定の保障をされてきた。
制定法と解雇権濫用の法理の隔たりは大きく、労使双方にとっても解雇法制の整備が必要と認識されている。
具体論に入ると対立の最もきびしい事項であり、成立については予断を許さない。
ただ、厚生労働省の労働政策審議会での議論では、次のような提案がおこなわれている。
解雇する場合「正当な理由」が必要であることを労働基準法に盛り込む。
就業規則の必要記載事項に「解雇の事由」を含める。
解雇無効の場合、復職せずに損害賠償により金銭的方法で解決できるようにする。
労働側は解雇権濫用の法理四要件の明文化を求め、使用者側は全面的に反対しており、どのように決着するかは不明である。
解雇権について、制定法と判例のギャップを埋めることは重要であり、とくに正社員という雇用の重要性を考えれば、明確な法的な雇用保障規定を早急に整備する必要がある。
もちろん、法律があっても経済は別に動く。
空文化している法律は多い。
他方、労使協議制にみられるように、法律の定めはなくとも日常的な労使関係のなかで築き上げられたシステムもある。
しかし、法律が現実社会に大きなインパクトを与えることもまた事実である。
さて、その他の改正の目標は労働市場の規制緩和であり、程度の差はあれ、緩和される可能性が高い。
以下で簡単に説明しよう。
有期労働契約の拡大現在は、一年を超える労働契約は原則として無効であり(6)、それらはすべて「期限の定めのない労働契約」となる。
しかし、労働契約の上限を原則三年に延長するとともに、公認会計士、医師などの高度専門職と六〇歳以上の労働者を五年に延長するとされている。
労働側は反対しているが、成立の可能性が高い。
派遣労働の規制緩和労働者派遣法は一九九九年に大改正がおこなわれた。
まず、原則禁止・例外許可というポジティブ・リスト方式から、港湾運輸・建設・警備・医療関係・製造工程以外の業務を認めるネガティブ・リスト方式に転換した。
次に、派遣先が派遣サービスの提供を受けることができる期間は一年であり、同じ人が同一の職場で働くためには、三カ月の空白期闇をおくことが義務づけられている。
ただし、特定の専門的業務については、期間制限のない専門職派遣として許容されている。
また、派遣会社が派遣者を派遣先に就職させることを予定しておこなわれる「紹介予定派遣」が認められることになった。
これらが今、さらに緩和されようとしている。
具体的には、①「物の製造」への派遣労働の解禁。
②派遣期間の延長あるいは撤廃。
③紹介予定派遣について、派遣前の派遣先による面軽を解禁する。
①は工場への派遣の解禁であり、現在、法的に業務請負という形式をとっており、違法性の疑いのあるしくみを派遣という形で容認しようとするものである。
①も②も実現すれば、派遣労働者を増加させることは疑いない。
業務請負問題への対処がみられないのは大いに問題である。
②については、有期雇用の規制緩和とも大いに関係する。
③にいう紹介予定派遣とは、派遣業者が、社員として本採用することを目的とする企業と労働者とを引き合わせるものである。
派遣先企業は派遣契約期間を社員採用選考のために利用する。
派遣労働規制の緩和は、一般的には正社員雇用を減らす可能性が高いが、紹介予定派遣についていえば、若年者の失業が増えるなかで、正社員雇用への一つのルートとして捉えることが可能である。
正社員として雇用することを躊躇する企業がこの制度を使うことによって正社員雇用を増やす可能性が高く、事前面接もそのために必要な手段として機能するだろう。
裁量労働の規制緩和裁量労働は、まさしく正社員のコアについての問題である。
労働基準法は、週四〇時間を最長労働時間として規定する。
また、一カ月単位および一年単位の変形労働時間制度がある。
労働時間管理の対象外にあるのが、第四一条にいういわゆる管理監督者である。
多くの企業では課長相当職(以下では管理職クラスと呼ぶ)以上がこの管理監督者とみなされることが多く、残業手当がなくなる。
労働組合のある企業では非組合員になることが多い。
つまり、管理職クラス以上には労働時間規制は適用されない。
一般の労働者に残業させるためには第三六条に定められた労働者の過半数代表との労使協定が必要である。
いわゆる「三六(サプロク)協定」である。
多くの企業ではこの協定が結ばれている。
非管理職クラスの場合は、三六協定で企業は残業を命じることができるが、仕事の内容が個人の裁量にゆだねられるのが適当だとされる老(研究開発技術者やプロデューサーなど)については、一九八七年以降裁量労働が認められている(専門業務型裁量労働制)。
一九九八年には、企業の本社などで企画・立案などに携わる者についても裁量労働が認められた(企画業務型裁量労働制)。
後者については、事業場で労使委員会を設置し労働基準監督署に届け出なければならない。
また各種手続は厳格であり全員一致でなければならない(第三八条の四)。
後者の点の規制を緩めようというのが、現在議論されていることである。
労働政策審議会労働条件部会の報告によれば、まず、労使委員会の簡素化がある。
①決議を全会一致から五分の四以上の多数決とする。
②労働者代表委員について、労働者の過半数の信認を改めて得る必要をなくす。
③行政官庁への届出を廃止する。
⑥健康・福祉確保措置の実施状況などについて行政官庁への報告の簡素化する。
⑤決議の有効期限を一年としていることを廃止する。
その他にも対象事業所の拡大、健康・福祉確保措置の拡充があげられている。
主要な改正点は、労使委員会手続の簡素化であり、実現しても現在とさほどの変化はない。
職業紹介事業の規制緩和一九九九年に民間有料職業紹介事業が原則自由化された。

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